前回、レーザーと言う技術そのものが量子力学によって
成り立っているという話をしました。
じゃあ、あの何でも切れそうな(実際は何でもは言い過ぎです)
アノ真っすぐなビーっと出る、レーザーがどのように
発生するのか?を説明してみます。
β(□-□ ) フムフム
因みに現在は20Wと40Wと5w遠赤外線のモジュールを
付け替えられるダイオードレーザー加工機を使っています。
ヾ(*´∀`*)ノ
構造的には、X軸Y軸(縦横)に自由に動けるレール上を精密に動き
レーザービームが出てくるモジュールと言うパーツ内部の小さな
半導体チップの中でレーザーが発生しています。
実は発生時のココから量子力学が深く関わっています。
ヾ(*´∀`*)ノ
皆さんは昔、科学の授業で習った電子殻の話を覚えていますか?
物質は原子の沢山の集合体で出来てて、その目に見えない原子の中に
原子核が中心にあって、その周囲を電子が回って・・・
(実際には、習ったように軌道をグルグル回ってるのでは無いのですが)
その外周軌道には「K殻」「L殻」「M殻」があって・・・・
そんな風に習った筈。
厳密には量子の世界はもう少し違うのですが、今は割愛します。
基本は・・・その電子殻と言う軌道に居る電子は好きな場所に存在できず、
K層とL層の途中とかは無理で、必ず決められたエネルギー状態(層)にしか
存在できません。
私が習った昭和の物理科学では「ここには電子2個まで入れて・・・
なんか判らんけどそーなってるからテストに出るから覚えて!」っと
丸暗記レベルの雑な教え方だったのですが、実際は量子力学が
新たに発見した自然界のルールのひとつです。
(っと言うか、この未知の法則性の謎が量子力学の第一歩とも言える)
β(□-□ ) フムフム
ダイオードレーザーではレーザー発生モジュールに電流を流します。
するとモジュール内部の半導体の中へ大量の電子が送り込まれます。
電子はエネルギーを受け取り、高いエネルギー状態になります。
これが励起です。
・
ザックリ言うとある殻(層)に居た電子がエネルギーを得て、
あぶれたように、ひとつ外側の殻(層)にイレギュラー的に
ぴょんと飛び移ったようなイメージ。
しかし、ここで面白いのは電子は常に安定したいので、
その状態(層)に居られず、やがて元の安定した状態(層)へ
戻ろうとします。
すると、その際に余ったエネルギーを光として放出します。
β(□-□ ) フムフム
もしエネルギーが連続的なら、放出される光の色も離散し
バラバラになります。
しかし量子力学では電子が存在できる状態(層)が
飛び飛びながら、規則正しくキッチリ決まっています。
そのため励起状態から戻る時に放出されるエネルギーも
キッチリ決まっています。
結果として決まった波長の光が生まれます。
( ̄~ ̄;)ウムム
青色レーザー(紫外線レーザー)が青く見えるのも、
赤色レーザー(赤外線レーザー)が赤く見えるのも、
使用している半導体材料によって電子のエネルギー差が違うから
出てくる波長の違いが特定の色として見えてます。
つまり色の違いは材料の違いであり、そのエネルギー差によって
放出される光の波長が決まる。その根本には量子力学があります。
・
しかし・・・・・レーザーになるには、まだ弱く一歩足りません。
普通なら電子はその都度バラバラに光を出します。
それを逆に発光源、照明として上手く利用したのがLEDです。
(´・ω`・)ソウナノ?
でも、レーザーは細く強力に集束しないといけません。
レーザーでは、ある光子が近くの励起された電子に作用すると、
その電子は全く同じ光を放出します。
同じ色。
同じ方向。
同じタイミング。
まるで一人が歌い始めたら周囲が全員同じ声で合唱を始めるような現象です。
これを「誘導放出」と呼びます。
β(□-□ ) フムフム
放出した光が近くの励起状態の電子に作用し、その電子も全く
同じ光を放出する。その光がさらに別の励起電子に作用し・・・
誘導放出が連鎖的に起こることで、ドンドン光は増幅されていきます。
そして増幅された全く同じ無数の電子が、今度は半導体の両端に
作られた鏡状の反射構造の中を何度も往復しながら、さらに増幅されます。
合わせ鏡の片側が半透明になってる構造なので、十分に増幅され集束された
光だけが・・・ビーっ!!と外へ出てきます。
これがレーザーです。
ヾ(*´∀`*)ノヤットカ・・・・
・
つまり私が木材を彫刻しているレーザー光は、
① 電子が外部からエネルギーを受け取り励起状態になる
② 不安定な励起状態の電子が元の安定した状態へ戻ろうとする
③ その時、状態の差に対応した決まったエネルギーの光子(光)が
放出される
④ その光子が他の励起状態の電子に当たると、全く同じエネルギー
・同じ位相・同じ方向の光子を放出させる(誘導放出)
⑤ この現象が連鎖的に起こることで、大量の揃った光が増幅される
・・・・・という量子力学の法則の積み重ねによって生まれています。
レーザーでは、量子力学が許す「誘導放出」という現象によって、
全く同じ性質を持った光が次々と複製されていきます。
その結果、
- 色(波長)が揃う
- タイミング(位相)が揃う
- 進む方向が揃う
という、極めて特殊な光子(フォトン)=「レーザー」になります。
だからレーザーは強いエネルギーを持ち、広がらずに
細い一本のビームとして飛び続けることができるのです。
・
励起と言う現象を作って安定したい電子が元に戻ろうとする
作用を利用して誘導放出を促し、出て来たクローン並みに
全く同じ光子を更に増幅させてソレがレーザーとして出てる。
そう言うプロセスです。
・
昔、習った電子殻・・・原子核の周りの軌道に電子が周回してて
「K殻には電子2個で、L殻には8個、M殻には18個で・・・・」
なんで連続じゃ無くて、飛び飛びの値やねん!覚えにくい!
っと思ったと思うけど、その連続では無く飛び飛びの値・・・
っと言うのが、正に量子力学の法則なの。
ヾ(*´∀`*)ノ
なぜ銀色に見える金属の中で金だけ黄金色に見えるのかも、実は
量子力学と相対論の合わせ技だったりしますし、今、説明した
レーザーが成立する仕組みも完全に量子力学の範疇です。
しかも、そのレーザーそのものが、量子力学の不思議さを身近に
感じさせてくれる存在でもあります。
・
実は・・・・量子の世界では、光子や電子は
私たちが普段考えるような、単純な粒子でも波でもありません。
(´・ω`・)エッ?
不思議なことに・・・観測すると粒子として振る舞うこともあれば、
波として振る舞うこともあります。「空想では無く現実に」です。
そして観測されていない間は、量子力学では波動関数によって
表される特殊な量子状態として存在しています。
・
映画マトリックスの世界のような妄想話のような・・・
ナカナカ私たちの日常感覚ではなかなか理解しにくい、不思議な
世界ですが、今も正確に計算出来て実証もされている事実。
・・どちらでもあって、どちらでもない・・想像も出来ないし直感とも
違うし、現実でもありえない事象なので、ナカナカ理解がムズイでしょう。
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ところが実際レーザーでは、その作用で量子力学的な性質を持つ
粒子とも波長とも言えない量子状態の光子(フォトン)が
何千兆個もピッタリ揃った高エネルギー状態で飛び出しています。
そして、その光子(フォトン)の集団が、実際に木材を焦がしたり
切断したりしています。
つまりレーザー加工機を使うことで、
「量子力学でしか説明できない現象が、目に見える形で現実世界に
作用している様子」を目で見て実際に利用しているのです。
量子力学というと、ミクロ過ぎて目には見えない、どこか空想じみた学者の理論
のように聞こえるかもしれません。
・
しかし学者の空論では無く、実際にスマートフォン、半導体、LED、レーザーや
GPSなど、現代技術の根幹を支えている理論です。
そしてレーザーは、その中でも特に分かりやすく、
「量子力学が現実世界で働いている姿を目で見せてくれる存在」
ってトコロがロマンに溢れてるし、正確に加工できるし
気に入って活用してるの。
ヾ(*´∀`*)ノヘラヘラ
*物理的には電子殻そのものではなく、半導体中の「価電子帯」と
「伝導帯」という量子状態の話です。
ただし根本にある「電子が飛び飛びのエネルギー状態しか取れない」
という量子力学の考え方は同じなので、今回は電子殻を例に説明しています。
(*´σー`)ゴリカイヲ
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原子核には電子殻と言う軌道があり・・・・・
あの「こんなん覚えられるかっ!何の役に立つねん!」っとなったでしょうが
こう知識が繋がって来ると・・・そうだったのか!でしょ?
ひょっとして・・・世の中には、未知の法則があって連続っぽく見えるけど
ミクロで見ると・・・実は飛び飛びの値しか取れない?そう!
それが量子力学の一端。
鉄を溶鉱炉に入れて熱すると、ドロドロの赤色が、橙色になって、黄色になって
最後は白色に光る。ソレって連続的にジワジワ色が変化してると思ったら・・・
熟練職人が「温度が変わる度に色が変わるんだぞ。その色で温度を見極めるのが
職人技ってもんよ!」が・・・正に!本当に飛び飛びの値しか取れないの。
職人の感覚的な話では無く、量子力学的に本当に連続では無く飛び飛びだった。
っと実証され、今では物理化学でも一般的でフツーに理解されてます。
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これ以外にも、量子力学って・・・まだまだ色々と直観では理解しがたい法則が
沢山あって面白い。シュレディンガーの猫とか二重スリット実験、そうそう
量子コンピューターってのも実現されて来ましたが、ミクロより小さい量子の
世界では知ってる常識とは全く違う、直観では理解し難い、浮世めいた話だけど
今のトコロ、計算は全て正確で実証もされてて、疑う余地のない、真実に
限りなく近い学問。ソコから導きだされるのは、この世の物体、人間も机も
原子の中はスカスカで、粒子でもあり波長でもある、掴みどころのない、
もやーっとした確率分布でしかない不思議なイメージ。宇宙もそれで出来ている。
古典力学しか学んでない我々では、もう何のこっちゃか?理解が追いつかない。
でも、ソレが今のトコロ、真実っぽい。
量子力学と言うのは面白い「この世は何ぞや?」を探求する学問で私も好きなので
また機会があればネタにします。
( ̄~ ̄;)ウムム
摩訶不思議で掴みどころのない空論のような不思議な現象?でも、本当で
それが目で見て活用できるのがレーザーなの。やってる事は超強力な細い光で
焼き切ってるだけ?に見えるけど、じゃあレーザーって粒子の集まり?電磁波の
集合?いえいえ、どちらでもない量子状態の光子(フォトン)の集合体なの。
発生プロセスやその意味を知ると、何だかワクワクしませんか?
(* ´艸`)ワクワク