蘭ing改造計画(第二期工事)

第一期工事は、看板やトイレや水周り設備の劣化対策など・・・
お客様をお迎えする最低限のリニューアルでした。

第二期からは、施設の充実と大幅なイメージ・チェンジをメインに
取り掛かります。

去年、私が故郷に帰って来た頃に、親父が実姉の嫁ぎ先の大工さんに
木造の資材倉庫の製作を依頼していました。大工仕事に慣れないながらも
私もお手伝いしました。(後に、資材置き場&木工作場的になってますがw)

その資材倉庫の手前には砂利だけの中途半端な広さのスペースがあり、どうにか
販売エリアを含めた「足元の良い休憩所」のような空間にしたいのだと言う。

憧れの「ウッド・デッキ」を自作するぞ!

そこで!今流行の「ウッドデッキ」製作となりました♪
これ以前に何度も、大工さんの手伝いをしていたので、こう言う場合の
床下の基礎工事は慣れています。

雨水排水や床下の湿気に配慮して換気出来るように工夫すれば、床下の
大引きや根太が腐って落ちる事も無いでしょう。

カナリの傾斜があったので、基礎ブロックには手間取りました・・・でも、まぁ建築で
水平レベルを見るのは慣れてるので、そんなに極端に時間は掛かってないのですが。

大引きと根太はシッカリとしたKD木材を使うのは決まっていたのですが、
肝心のウッド・デッキの床板を何にしようか?決まってませんでした・・・がっ!

丁度、大型ホーム・センターで「4m足場板」が破格値で期間限定特価をしてます。
軽天業で毎度使ってる「足場板」ですから、使い勝手が良いのは十分承知!!「これだ~っ!!」って事で、即決で30枚を一挙に購入。
積んで帰る道中に「軽トラが前にヒックリ返るのでは?」って程、フラフラ走行でしたw

使用する木材には十分、バーナーで焼きを入れ、その後、クレオトップをたっぷり含ませ
耐腐食性&耐水性を上げて措きます。この方法が一番、安価で耐久性が良いと思います。
憧れの「ウッド・デッキ」が完成しました。

周囲に単管が立っているのは、後に日差しがキツ過ぎるので寒冷紗の屋根を張る為です。

手前側には階段とスロープを設置

そもそも、全て階段にする予定でしたが、大きな鉢の移動など台車を頻繁に使うのと、
バリア・フリーにも対応して欲しいとの事で急遽、変更しました。

手摺りもシッカリしたものを製作。

反対側の降り口は全てスロープです。

話に出ていた木造倉庫との接続面

元々、先に木造倉庫が建っているので、接続するつもりで、ウッドデッキの水平レベルを
合わせていたので、バッチリとバリア・フリーで接続出来ています。
当初は釣り式の引き戸だったのですが、下部に溝を新設してスムーズに開閉する工夫を
してます。横に庭園側に続く開口部は、盛り土をして段差をゼロにしています。

半年ほど経過したので、メンテナンスとして、クレオトップの重ね塗りと同時に床板を
めくって、床下の大引きと根太の湿気具合を見ましたが、排水&換気が上手く行ってる
ようで、殆ど湿気はありませんでした。上出来ですね♪

これは最近の様子。販売用の花が増え、単管で格子状に屋根を組み、ソコに寒冷紗もキレイに張れて、良い具合に日差しを和らげてくれています。草花の陳列も増え、カラフルで良い雰囲気が出てますネー♪

「お次は、得意の天井だぜぃ!」

お次は蘭ingの展示温室の室内整備です。先ず、気になるのが「ココってお店?」っと言う独特の雰囲気。「温室の半分に販売コーナー」っと言うグダグダな感じが「お店」って感じをグダグダに消してしまっている。温室の名残で、ガラス屋根の外上には寒冷紗。室内側にも寒冷紗・・・閉めると・・・・・・く・・・暗い。親父によれば「夏場は暑すぎるから、日差しを遮るには仕方ない」と言う。

だが、そんな事は無い!っと思った。寒冷紗で無くとも遮光率50%に出来るはず!っで考えたのが、室内に白ペンキで塗った木で「スリット天井」を作る方法。コレで確実に遮光50%を確保し、ガラス越しの直射日光を半分に抑えられる。

このタイプのガラス温室は天井部分が換気開閉出来るので、温かい熱の層と分ければ、スリットの下、つまり室内の温度は飛躍的に下がるはずです。温かい温度で上に上がる層をスリットを抜けさせ、屋根上に熱い空気を逃がせば、完璧です。

っで、ガラス屋根に今回のスリット天井の重量は、さすがに重くて持たせられないので、構造H鋼から軽天の要領で、ボルト吊りする事に。

吊りピッチが広いので、寒冷紗を垂らせるために、元々横に横断して這わせてあった鉄パイプ をボルトで吊り、その鉄パイプに給水パイプの固定ステーを改良して、胴縁を縫い合わせる。そして、その胴縁に白ペンキで塗った胴縁をスリットで貼る方法で施工してみた。スリット天井の施工途中です。

一本では軽いスリット木材でも、150本を超える本数なので、相当な重量になります。よかったぁ・・・軽天やってて。こう言う時の重量計算が役に立って、設計も完了!!

こうスリット部分を白くペイントする事で、太陽光の反射率も良いし、見た目もスッキリ!明るい雰囲気♪以前を知ってるお客さんは「あれ?何かお店が明るくなったねぇ?」大成功です。これで、温室の延長ってダラけた雰囲気から「お花屋さん」らしい、明るく良い雰囲気になりました。

ちなみにスリットは、ワザと半数を少し前後にズラせてスリット状に貼っています。

こうする事で、たった5mmズレても素人でも見て判るスリット両端のズレが、グラディーション化されて、例え10mmズレても目立ちません。丸まま4mで使うKD胴縁材の寸法ズレも気にしなくて済むし、4mより両方に少し伸びるので、スリット効果の全長を稼ぐ効果もあります。

「上も良いけど、横もね?」

スリット天井が出来て、展示温室内に「お店らしい明るい空間」が出来たのですが、今度は逆に「そうではない施工していない部分」が気になるものです。

そして、ガラス温室ゆえの思わぬ効果!「外から見ても、ガラス温室が白く明るく見える」のです。そー言えば、今回のスリット天井の横、壁面は南に面しています。そして唯一、幹線道路から見える部分でもあります。

前から「外からお店が見えるようにガラス温室の壁面に何か貼ろうか?」っと言う案があったので、それならば!「南面の強烈な日差しを和らげる」のと「外からもお店と判る存在感」としてガラス温室の南壁面にも、スリットを施工する事にしました。

半分だけスリットを入れて、夕方に撮影してみたけど、明らかに外から見た感じも違うでしょ?

実は、この壁面スリットは「取り外し式」にしています。ガラス壁面は汚れやすくガラス面を掃除する必要があるので、一人で提げられる程度に分割して取り外しできます。

固定は、ガラス温室壁面を構成している横渡しのC鋼の上溝に、スリットを引っ掛けて乗せる構造にしたので、スリットを上に持ち上げながら手前に引くと「カポッ!」っと外れます。C鋼の溝に完全に嵌め込んでいるので、簡単には外れない仕組みになっています。

コレで、天井も壁面もスリットで統一されて、お店らしい雰囲気に「グッ!」っと近付きました。