日別アーカイブ: 2013年9月1日

不可能と利便性

私ってば、毎回、キテレツな(* ´艸`) 木工を作ったりしてますが・・・・

 

お客さまのリクエストの中には、「不可能」な要望や

「苦心して現実的に出来たところで、それ程でも無い」って事も

時々・・・あります。

 

具体的に言えば・・・・

例えば・・・・「背の高いパーティションで奥行きが浅いヤツ(≧∇≦)b 」

 

・・・・出来なくも無いですが、ちょっと当たっただけでも・・・

背が高い=重心が高いので、確実にコケ易くなります。(´~`ヾ)

 

何かの対処を施せば、不可能では無いにせよ、「物理的に無理がある」事を

無理矢理に叶えようとすると、やはり、無理が出てしまいます。

 

いくらかでも直角方向に脚を出せば、コケ難く出来ますが、やはり単純に

「高さに対して、脚が前後に3分の1程度」は確保しないと確実に・・こけ易いです。

 

例えば、「電柱」とか「ポール」も最低でも、その高さの3分の1以上は穴を掘って

差し込んで・・・更に足元をコンクリートで固めて・・・ソレで建ててます。

しかも(電線や繋ぎステーなどで)隣とテンションを掛けて繋いでたり・・・・

何かに持たせて自立させています。

 

単純に考えれば・・・・・高層ビルでもスカイタワーでも、「見た目通りにだけで」

積み木のように建ってるだけなら、パタパタ倒れちゃうでしょ?。(´~`ヾ)

 

だから、薄く&高く作るなら、最低でもテコの原理でコケない程度の脚(つまり奥行き)は

必ず必要です。

コレを無くす方法・・・・例えば、マジックテープや磁石、細い針などで、接地を

強化しても、やはり、絶対的な接地面積が少ないと、その効果も薄くなります。

 

どうするとコケ難いか?

1・背を低くする(重心を下げる。)

一番効果が高いです。また、倒れそうになった時にも重心バランスが低いので、

誰でも判るように・・・コケ難いです。←コレが物理的って意味。

2・脚を前後に出す。

コケそうになっても、テコの原理が利く脚の長さで受け止めれば、コケ無いです。

でも、その脚の張り出しの分、奥行きが出来てしまいます。

3・応力を分散させる。

例えば、上から見たときにコの字になっていれば、応力が分散してコケにくいです。

また、そのパーティションの上部を上に何かで固定できれば、コケ無いです。

 

逆に言えば、長い木の棒を建てて、それを幾らシッカリと両手で押さえてても、

コケ出したら・・・・手で押さえられないほどの応力で、負けて倒しちゃいますよね?

 

そー言う事です。応力が集中すれば、余計に対策が難しくなっちゃう訳です。

ご要望は、「ただ単に・・・・薄くしたいだけなのに・・・(´~`ヾ)」

それが物理的には、とても難しい事なんです。

 

以前にも書きましたが、「薄型の背の高いワゴン」とかも、そうです。

一見、便利そうですが・・・・・(物理的に)薄くて背の高い棚にキャスターを付けたりすると

大変、コケやすくなります。だから、市販品で縦横比が極端に違う(ノッポな)家具には

キャスターは付いていない訳です。(´~`ヾ)

 

でも、「あと、ほんの少し、こー言うサイズだったら便利なのに・・・」そー言うのでしたら

喜んで対応させて頂きますヨ(≧∇≦)b

見るからに不安定な場合は・・・・・コケるのが判ってるのに「作れって言うから作った」

よーな無責任な事はしたくないので、説明して、お断りさせて頂いてます。

 

「軽くて、丈夫な木製の・・・」こう言うリクエストも多いのですが、

私は杉の無垢材を使いながら、出来るだけ軽量に作っていますが・・・

所詮は「無垢材の木工にしては・・・軽い」・・・・その程度です。(´~`ヾ)

 

100均一などの木工などの「ファルカタ」「アガチス」「バルサ」などと

(どれも熱帯雨林の成長が早く、密度の低い、貧弱で安価な木材)

比較して、約1・5倍~2倍の重量が、どうしてもあります。

 

逆に言えば、木の密度が重ければ、「固い木材=丈夫で長持ち」な訳で・・・

軽くて丈夫・・・・それが高価な木材でしか叶わないから、アルミやプラスチックなど

他の数多のマテリアルが存在する訳でして・・・・

それらの「強度」と「軽さ」相反する要望を叶えるにも「物理的に無理」があります。

 

例えば、軽いファルカタ材で折り畳み机を作れば、製作はできますが、

確実に壊れちゃうでしょうし、ソコまでしてまで木材に拘る理由が薄れてしまいます。

 

つまり、市販されているアルミ製のキャンピング折り畳みテーブルの方が、

「安価で」「軽量で」「折り畳みもコンパクトで」「頑丈」です。(≧∇≦)b キッパリ!

 

現に、それを安価でありきたりなキャンピング・テーブルには見えないように・・・・

色々と工夫なさってる作家さんは沢山居ますし、遥かに、その努力の方が効率的です♪

 

質感を求めるのか?軽量&持ち運びを重視するのか?

その天秤に掛けたとき、あまりにも物理的に無理がある場合は得策とは言えません。

 

色々なご要望に出来るだけ、応えようと日々アイデアを絞ってますが、

「不可能」だったり、「リスクやコストが掛かる割には、大して良くない」

つまり、他のマテリアル(素材)の同等品で補えるものを、ワザワザ曲芸のように

どーにか(物理的に)無理をしてまで、木工で叶えようとはしません。

 

必ず、無理が出て、良い結果に結びつかない事を、よーく知ってますから。(´~`ヾ)

 

「世の中にまだ無いモノ」や「コレで木製だったら良いのになぁ・・・」

そう言うアイデアは、必死になって知恵を絞りますが、「市販されていない」のには

「コケやすかったり」「壊れやすかったり」「実は便利じゃなかったり」・・・・

多くは、それなりの理由があったりします。

 

その辺りの「見極め」が、私のようなキテレツ木工ゞ( ̄∇ ̄;)には、

とーーーーーっても大事で、

例えば・・・「木で自動車を作る」ような・・・・

「奇をてらうだけで、実用性が低く、物理的に無理がある」ようなリクエストは

製作する前に、ちゃんと判るように説明して、お断りしています。

 

(実際に、木製の自動車ってあるのですが、実はエンジンや主要部品は金属ですし、

そもそも「えっ?木で出来てるの?」っと言う物理的に無理がある事を、作る側が

判ってて、その意外性&話題性を狙って作ってる=「気をてらう」って意味です。)

 

確かに、お客さまのリクエストの中には「おお!!なるほど!面白そうですね?」

って言うアイデアと言うか、リクエストも沢山あります♪

何事もチャレンジするキテレツな精神(* ´艸`) は大事ですが・・・・

「わざわざ物理的困難を乗り越えたとしても、大して良い商品にならない」のが

判るようなモノにまでチャレンジしてたら、時間もお金も信頼も獲られません。

 

大抵のモノは作れるので、製作しようと思えば出来ない事は殆ど無いのですが、

それでも「うーん・・・」ってなっちゃう時は、物理的に難しい&それほど良く無いから。

 

それでも、最初から門前払いとかはしませんよ?頭の中で、ちゃんとシュミュレーション

してみて・・・・どーにか出来ないか?どんな些細なリクエストでも、確実に考えて・・・

それで、判断してます。

 

ですから、ご要望&リクエストして頂く際には、そんな難しい事はイチイチ考えて

頂かなくてもOKです♪(≧∇≦)b

 

ちゃんと私が判断してみて、無理な場合は、ちゃんと説明して、それ以外の実現可能な案を

ご提示しますから、どうかご理解下さいネ。m(__)m