ご依頼の手摺り塀が完成。

KA様に以前から、ご依頼頂いていた「手摺り塀」が完成しました。

大きなイベント「ミナズキ市」と「梅雨の長雨」で、長らくお待たせしていたので、施工した私もやっと「ホッ!」っと出来ました♪

ご依頼は、「階段から上の庭までの、手摺り兼用の塀」だったのですが、ご覧のように石垣の境界付近なので、地中深く杭は打ち込めません。元々のご依頼者お手製の塀が貧弱だったので、ご依頼頂いたのですが、「足元を固めにくい」のは、施工的には致命傷です。

下手に石垣に手を加えれば、崩壊した時に大変な事になりますし、第一、ソコまで大掛かりの工事はご希望ではありません。だからと言って、素人工事と大差無いグラグラでは駄目です。

階段部分は約4000mm、上の庭先にも約4000mm伸びてます。事前に、階段横のブロック塀にアンカーを打ち込み固定する事は、ご了承頂いていたので、問題は庭先側の固定です。

事前にどうしようか???っと考えまくって①先ず、元々の杭を出来るだけ同じ位置で深く打ち込む。しかし、案の定、スグに石垣に当たってしまいます。②ソコで3分のボルトでピックを作って打ち込むと(石垣の合間を縫って)意外に深く打ち込めるので、アングルを溶接加工して専用の杭留め用ボルト固定金具を自作。ボルトを打ち込んだ後でナットで金具を固定しました。これで最悪、グラついても杭が抜ける心配は消えました。③足元が粘土質で地盤が弱いので、ピンポイントに砂利を敷いて、その上で一部だけモルタルで補強しました。④打ち込んだ杭の四方垂直を確認後、石垣の天石につっかえで固定。・・・・・・ハァハァ・・・コレでやっと苦肉の策で「石垣を出来るだけ触らずに、ソコソコの強度」を確保できました。

杭が固定されれば後は簡単。横に4m木材で杭同士を繋ぎ、庭先側には90度の折り返しを約600mm作って、筋交いを入れて補強。天板裏にも90度アングルで補強して、この角でカナリの強度を確保しています。

庭先側の約4000mmの直線は、水平と垂直は確保できましたが、そもそも天板が3000mmなので、繋ぎ合わせが必要。なので継ぎ合わせは45度に斜めカットして、裏板を当ててシッカリと一体化。その先の階段側との接合は22.5度にしたので摺り合わせして、斜め結合してます。

後端は90度折り曲げ、階段との取り合いとの接合で、殆どの強度を確保しているのですが、やはり、4000mmの距離を不十分な杭の固定では、完全な固定は無理です。グラグラはしませんが、天板に乗ったり、持たれ掛けて全体重を掛けるは危険!!なのを、ご依頼者に説明。(ご依頼者は、予想以上の十分な強度に、ご満足頂けました♪)

天板取り付け時に意外に手間取った、階段部分との斜め接合。下向きに22・5度の角度は計算していたのですが、画像では判り難いですが、実は上から見ると階段部分は直線では無く、左に約15度斜めに階段が通っています。ココの接合で強度を出したかったので、何度も摺り合わせ・・・・やっと三次元に斜め摺り合わせして、ガッチリ接合できました。

階段下から眺めると、ナカナカ立派になりました。「施工できない」「大掛かりになる」っと言い放すのは簡単ですが、ソコを何とかして欲しいのが、お客様のご要望。当初は「無理かも?」っと思っていたものが、知恵と精度でご希望よりも十分な強度が確保できました。

また、今回の天板は、無垢の杉板をリーマーで銀杏飾り彫りをして→バーナーで焼き入れ→表面研磨→油性キシラデコール塗りで自前で作りました。多彩なご趣味をお持ちのご依頼者様もスグに気付いてくれて、喜んで頂きました♪(^o^)/

素直に杭を深く打てれば、大した工事ではありませんし、天板も既製品や本来、4m一本モノで作れば(価格は上がりますが)簡単に出来たと思いますが、工夫して安く&早く仕上げて、お客様に喜んで頂けたので、良い工事が出来たなぁっと一安心しました。

KA様、ありがとう御座いました。m(__)m

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