日別アーカイブ: 2026年6月11日

レーザーとは何ぞや?

前回、レーザーと言う技術そのものが量子力学によって

成り立っているという話をしました。

じゃあ、あの何でも切れそうな(実際は何でもは言い過ぎです)

アノ真っすぐなビーっと出る、レーザーがどのように

発生するのか?を説明してみます。

β(□-□ ) フムフム

因みに現在はダイオードレーザー加工機20W&40Wを使っています。

レーザービームが出てくるモジュール内部の小さな半導体チップの中で

レーザーが発生しています。

実は発生時のココから量子力学が深く関わっています。

ヾ(*´∀`*)ノ

皆さんは昔、科学の授業で習った電子殻の話を覚えていますか?

物質は原子の沢山の集合体で出来てて、その目に見えない原子の中に

原子核が中心にあって、その周囲を電子が回って・・・

実際には、習ったように軌道をグルグル回ってるのでは無いのですが

その外周軌道には「K殻」「L殻」「M殻」があって・・・・

そんな風に習った筈。

厳密には量子の世界はもう少し違うのですが、今は割愛します。

基本は・・・その電子殻と言う軌道に居る電子は好きな場所に存在できず、

決められたエネルギー状態(層)にしか存在できません。

これは古典力学では未だ定義されて無くて、量子力学が新たに発見した

自然界のルールです。

(っと言うか、この未知の法則性の謎が量子力学の第一歩とも言える)

ダイオードレーザーではレーザーモジュールに電流を流します。

するとモジュール内部の半導体の中へ大量の電子が送り込まれます。

電子はエネルギーを受け取り、高いエネルギー状態になります。

これが励起です。

ザックリ言うとある殻(層)に居た電子がエネルギーを得て、

ひとつ外側の殻(層)にイレギュラー的にぴょんと飛び移った

ようなイメージ。

しかし、ここで面白いのは電子は常に安定したいので、

その状態(層)に居られず、やがて元の安定した状態(層)へ

戻ろうとします。

すると、その際に余ったエネルギーを光として放出します。

β(□-□ ) フムフム

もしエネルギーが連続的なら、放出される光の色も離散し

バラバラになります。

しかし量子力学では電子が存在できる状態(層)が

飛び飛びながら、規則正しくキッチリ決まっています。

そのため励起状態から戻る時に放出されるエネルギーも

キッチリ決まっています。

結果として決まった波長の光が生まれます。

( ̄~ ̄;)ウムム

青色レーザー(紫外線レーザー)が青く見えるのも、

赤色レーザー(赤外線レーザー)が赤く見えるのも、

使用している半導体材料によって電子のエネルギー差が違うから

出てくる波長の違いが特定の色として見えてます。

つまり色の違いは材料の違いであり、そのエネルギー差によって

放出される光の波長が決まる。その根本には量子力学があります。

しかし・・・・・レーザーになるには、まだ弱く一歩足りません。

普通なら電子はその都度バラバラに光を出します。

それを逆に発光源、照明として上手く利用したのがLEDです。

(´・ω`・)ソウナノ?

でも、レーザーは細く強力に集束しないといけません。

レーザーでは、ある光子が近くの励起された電子に作用すると、

その電子は全く同じ光を放出します。

同じ色。

同じ方向。

同じタイミング。

まるで一人が歌い始めたら周囲が全員同じ声で合唱を始めるような現象です。

これを「誘導放出」と呼びます。

β(□-□ ) フムフム

放出した光が近くの励起状態の電子に作用し、その電子も全く

同じ光を放出する。その光がさらに別の励起電子に作用し・・・

誘導放出が連鎖的に起こることで、ドンドン光は増幅されていきます。

そして増幅された全く同じ無数の電子が、今度は半導体の両端に

作られた鏡状の反射構造の中を何度も往復しながら、さらに増幅されます。

合わせ鏡の片側が半透明になってる構造なので、十分に増幅され集束された

光だけが・・・ビーっ!!と外へ出てきます。

これがレーザーです。

ヾ(*´∀`*)ノヤットカ・・・・

つまり私が木材を彫刻しているレーザー光は、

① 電子が励起されイレギュラー状態になる

② 安定したい電子が決まったエネルギー差だけ落ちる

③ その際のエネルギーが光として発生する

④ 光が別の電子から同じ光を出させる

という量子力学の法則の積み重ねによって生まれています。

励起と言う現象を作って安定したい電子が元に戻ろうとする

作用を利用して誘導放出を促し、出て来たクローン並みに

全く同じ光を更に増幅させてソレがレーザーとして出てる。

そう言うプロセスです。

昔、習った電子殻・・・原子核の周りの軌道に電子が周回してて

「K殻には電子2個で、L殻には8個、M殻には18個で・・・・」

なんで連続じゃ無くて、飛び飛びの値やねん!覚えにくい!

っと思ったと思うけど、その連続では無く飛び飛びの値・・・

っと言うのが、正に量子力学の法則なの。

ヾ(*´∀`*)ノ

なぜ金だけ黄色く見えるのかも、実は量子力学と相対論の

合わせ技だったり、今説明したレーザーが出来る仕組みも

完全に量子力学の範疇で、しかも、その見えない程小さくて

確率の波だとか重ね合わせだとか・・・実に直観に反して

掴みどころの無い、噓みたいな本当の神羅万象の法則が

「レーザーと言うモノで見えて、その作用で実際に

木を焦がしたり、焼き切ったり出来る。」

現在のテクノロジーに無くてはならない量子力学。

( ̄~ ̄;)ウムム

古典力学のように直観で理解し難いし肉眼では見えない。

そんな摩訶不思議なミクロの世界の新たに見つかった法則?

いったい何の役に立つの?っと言われれば・・・

「今のテクノロジーのほぼ全て」って事になるんだけど、感覚的に

理解し難い。それが現実にレーザービームとして見えて、ソレで

現実にある物質を切ったり出来てる。

正に直観に反した空想みたいな摩訶不思議な法則を直接、目で見れる

実に稀な例なの。そう判って来ると・・・ロマンの塊でしょ?

(* ´艸`)ウンウン

*物理的には電子殻そのものではなく、半導体中の「価電子帯」と

「伝導帯」という量子状態の話です。

ただし根本にある「電子が飛び飛びのエネルギー状態しか取れない」

という量子力学の考え方は同じなので、今回は電子殻を例に説明しています。

(*´σー`)ゴリカイヲ

あの「こんなん覚えられるかっ!何の役に立つねん!」っとなったでしょうが

こう知識が繋がって来ると・・・そうだったのか!

ひょっとして・・・世の中には、未知の法則があって連続っぽく見えるけど

ミクロで見ると・・・実は飛び飛びの値しか取れない?そう!

それが量子力学の一端。

鉄を溶鉱炉に入れて熱すると、ドロドロの赤色が、橙色になって、黄色になって

最後は白色に光る。ソレって連続的にジワジワ色が変化してると思ったら・・・

熟練職人が「温度が色が変わる度に色が変わる。その色で温度を見極めるのが

職人技ってもんよ!」が・・・正に本当だった。

これ以外にも、量子力学って・・・まだまだ色々と直観では理解しがたい法則が

沢山あって面白い。シュレディンガーの猫とか二重スリット実験、そうそう

量子コンピューターってのも実現されて来ましたが、ミクロより小さい量子の

世界では知ってる常識とは全く違う、直観では理解し難い、浮世めいた話だけど

今のトコロ、計算は全て正確で実証もされてて、疑う余地のない、真実に

限りなく近い学問。ソコから導きだされるのは、この世の物体、人間も机も

原子の中はスカスカで、粒子でもあり波長でもある、掴みどころのない、

もやーっとした確率分布でしかない不思議なイメージ。宇宙もそれで出来ている。

古典力学しか学んでない我々では、もう何のこっちゃか?理解が追いつかない。

でも、ソレが今のトコロ、真実っぽい。

( ̄~ ̄;)ウムム

それが目で見て活用できるのがレーザーなの。やってる事は超強力な細い光で

焼き切ってるだけなんだけど、プロセスを知ると、何だかワクワクしませんか?

(* ´艸`)ワクワク